ここ数年大きく投資をしている九州電力が前期の決算を発表しました。通期予想を大きく上回って非常に好調でした。当期純利益は繰延税金資産の計上で実質的な法人税を減らし、上振れていましたが、経常利益も上振れてきたので安心です。
1株当たり当期純利益は175円で、10%増加しました。配当は20円(優先株への配当は別途あり)なので、大きく内部留保を増やして、自己資本比率は13.4%に回復しました。
営業キャッシュフローは3,500億円超で、有利子負債を700億円ほど返済しています。
現在の株価は1,352円でPER7.7倍です。決算が出る度に書いていますが、安いと思うんですよね。しかも、玄海原発の再稼動が実現したので、今後、財務の改善が加速していくと見ています。
例年、原発再稼働の状況が不透明という理由で通期予想の発表はありませんでしたが、今回は当期の通期予想があわせて発表になりました。
当期は経常利益が800億円とさらに伸びる予想ですが、繰延税金資産の計上が剝落するため、1株当たり利益は108円に減少します。配当は30円に増配予定となっています。
率直に言って、この予想は保守的に過ぎ、順次原発が稼働していけば上振れてくると思います。会社側が保守的な業績を発表するのは、株価が上昇してしまうと新株予約権付社債が行使されてしまうからでしょうね。株価が低く抑えられている限り、この無利子の社債1,500億円をキープできるので。
本来、財務の改善にあわせて優先株の買い戻しも行うべきだと思いますが、会社側は財務の改善が目立つのを避けると思うので、なかなか時間がかかりそうです。
まあ、待っていれば嫌でも業績と財務が改善してくると思うので、保有を継続していきます。配当が30円あれば、配当利回りは2%を超えているので、これまでよりも投資を維持しやすいと感じています。