働くキャッシュカウ

財務分析を通じて高配当株に長期で投資し、投資先が生み出すキャッシュを分けてもらっています。

薬王堂 2019年2月決算

 今週は薬王堂の通期決算がありました。この銘柄は成長性に期待して長期保有を継続しており、もはや株価の上下は気にならなくなっています。

 売上は10%程度伸びて、918億円でした。新規出店が27店舗あり、合計265店舗となったため、既存店の伸びとあわせて、予想通りの安定的な成長です。毎年、これぐらいの伸び率です。

 営業利益も10%ほど伸び、38億86百万円、経常利益は4%ほど伸び、42億38百万円、純利益は1%弱伸びて29億45百万円でした。1株当たり利益は149円で、現在の株価2,840円はPER19倍です。

 営業利益に比してなぜ経常利益と純利益の伸びが低いのか。原因の分析が重要なわけですが、昨年の営業外利益には再開発に伴う店舗の補償金2億5千万円があり、これが剥落して、今年の営業外利益は2億円ほど減少しています。経常利益の伸びが低くなっているのはこれが原因ですね。店舗の補償金は臨時的なボーナスみたいなものですから、今年これがなかったことはあまり問題ではないと思います。

 ちなみに、一昨年の営業外利益は3億5千万円ほどで、今年の3億7千万円はほぼ同じ水準です。

 法人税は、一昨年が11億37百万円、昨年が11億52百万円、今年は12億92百万円と増えており、これが純利益を押し下げて、最終的な純利益が昨年とほぼ同額になってしまっています。
 
 法人税は利益の伸びに伴って増えていくので、これもしかたないですね。

 ということで、損益については、伸びが低かったものの、要注意な点はないように感じました。

 借入金が増えているものの、営業キャッシュフローはきちんと出ており、キャッシュ面でも特に心配はなさそうです。

 当期3月の月次も発表になりましたが、売上は10%ほど伸び、新規出店も5店あったので、成長軌道は崩れていません。当期末の業績予想は、売上が1017億円、純利益は30億9千万円で5%ほど伸びそうです。1株利益は156円になります。

 配当は21円でしたが、当期は22円に増配予定です。新規出店に資金を投じているのはわかるのですが、もう少し増配して欲しいところですね。

 利益の成長が鈍っているので、一時期のような株価の高騰は期待できないものの、企業体として成長が継続しています。保有量を調整しながら、投資を継続していきたいと思います。