働くキャッシュカウ

財務分析を通じて高配当株に長期で投資し、投資先が生み出すキャッシュを分けてもらっています。

九州電力 売@1592.5円-1,590円、1,550円

 昨日の朝、電車で九州電力の株価を見ていたら1,600円台半ばだったので、急騰したからしばらく横ばいかと思っていましたが、それから職場に着くまでの5分ほどで急落し、逆指値が発動して売れていました。

 

 その後、上値で指値をしていた残りの注文も取り消し、後場の寄付で全株売却しました。

 

 九州電力への10年に及ぶ投資が終了しました。10年間、毎日、株価を見ていましたね。平均取得単価は1,458円、平均売却単価は1,600円弱となったので、売却利益は10%弱、年間1%弱の利回りとなりました。株価が半値になったところから回復したのでほっとしましたが、利回りとしてはあまり良くなかったですね。配当も出たり出なかったりでした。

 

 投資した当初思い描いていたのは、原発が再稼働すれば業績が良くなって復配し、高い配当利回りが株価を引っ張っていくだろうというシンプルな道筋でした。現実には原発が稼働したり止まったりを繰り返し、財務面も悪化して転換社債優先株を発行、株価は下落していきました。

 

 先月1,300円台だった株価が今月に入って1,700円近くまで急伸して来ましたが、地道な業績の改善が評価されたものではなく、TSMCの熊本進出が注目されたことや、マイクロソフトのデータセンターへの巨額投資や東電の柏崎原発への燃料装填により電力株全体が上昇したことなど、先行きへの期待からでした。

 

 純粋に業績面を考えると、有利子負債が一時4兆円以上に膨らんでおり、今後、金利が上昇してくると本格的に利益を侵食すると思います。優先株3,000億円にも高い配当を払い続けなければならず、財務面での負担が業績を圧迫すると見ています。他方、既に原発が全基稼働していて、業績を改善する余地は乏しいと思います。

 

 外的な要因で株価が急伸したところで全株売却できたので良かったと感じています。これによりキャッシュが回復し、ポートフォリオの半分近くが現金となりました。九州電力の50円配の実現を待てなかったのは残念ですが、日経平均も高値圏にあるので、しばらく日本株への投資は控えて、落ち着いて市場を見ていきたいと思います。