働くキャッシュカウ

財務分析を通じて高配当株に長期で投資し、投資先が生み出すキャッシュを分けてもらっています。

九州電力 2020年12月第3四半期決算

 昨日、大きく投資している九州電力の第3四半期決算が発表となりました。

 

 経常利益は738億円、純利益は553億円、1株当たり利益は113円で、業績は好調でした。第3四半期だけの3ヶ月を見ると、毎年赤字になりますが、それでも昨年と比べると大きな利益を保っています。

 

 電力の卸売を増やしているため、総販売電力量が前年同期の592億kwhから625億kwhに伸びており、ここ数年の販売電力量の落ち込みから転換しています。

 

 また、利益の伸びに貢献したのは、減価償却費の計上方法を変更したこと(+422億円)、円高原油安(+330億円)、LNG転売損がなくなったこと(+179億円)が主なところです。逆に利益を抑制したのは、新型コロナ(△160億円)、原子力発電所の稼働の落ち込み(△150億円)でした。

 

 振り返ってみると、コロナの混乱と川内原発の稼働停止の中で、増益を実現しているので、良かったと思います。減価償却費の計上方法の変更がなくても利益は出ているので。

 

 問題なのは、通年の業績予想を取り下げたこと。年明けからの寒波で電力需給が逼迫し、収支が悪化していることが理由です。

 

 原子力発電所が3機稼働して、作った電気が全て売れている感じなので、電力需給の逼迫は増益要因かと思っていましたが、苦しいようです。通年の業績予想は純利益300億円の予定だったので、第3四半期の時点の利益553億円をもってしても達成できない可能性があるということになると、第4四半期の3ヶ月だけで見るとかなり大きな損失が生じる可能性があります。まあ、電力需給の逼迫も落ち着いてきているので、そこまで心配する必要はないとは思いますが。

 

 もう一つ、心配なのが、有利子負債が着実に増えていることです。前期末3兆4,000億円だったのが、3兆5,150億円に増えました。対テロ施設の整備で大量の資金が必要だったと思いますが、数年前は3兆円程度だったので、増え続けています。

 

 川内原発は年末に再稼働を果たし、来期は原子力発電所稼働率が大きく上がると思いますし、原油価格が上がってきても増益になるではないかと思います。山あり谷ありですが、投資を継続していきます。