働くキャッシュカウ

財務分析を通じて高配当株に長期で投資し、投資先が生み出すキャッシュを分けてもらっています。

九州電力 2021年3月決算

 今日は九州電力の決算発表がありました。前期末に業績予想の修正を出していたので、前期業績にはそれほど期待せず、今期の業績予想がどうなるか楽しみにしていました。結論としては、サプライズはないものの、巡航速度で順調に業績が改善していきそうです。

 

 前期は、減価償却方法の変更(593億円)という形式上のプラス要因があったものの、テロ防護施設の遅れによる川内原発の稼働停止や冬季の卸売電力の価格高騰(△330億円)などのマイナス要因が大きく、経常費用は1,000億円ほどの増加となりました。コロナの影響もあり、思い返すとなかなか苦しい状況でしたね。

 

 ただ、売上も伸びており、経常利益は40%ほど増加して、556億円、当期利益は321億円となりました。1株当たり利益は63円で、このうち35円が配当されます。厳しい環境の中でも何とか黒字で着地しました。

 

 注目していた今期の業績予想は、経常利益が700億円、当期利益が450億円、1株当たり利益は90円とかなりの伸びが見込まれています。配当は増配となり、40円の予定です。

  原発の予想稼働率が90%以上となり、原油高と円安を前提としても燃料費が減少する効果が大きいようです。

 

 増配幅が小さいので、期中の業績上方修正と更なる増配もあり得るのではないかと思います。

 

 期末には転換社債の償還が予定されているので、財務の再建も一歩進むと思います。あとは3兆5,000億円以上まで増加した有利子負債の返還と優先株1,000億円の償還をどう進めていくかですね。

 

 4基の原発を丁寧に稼働させながら、巡航速度を保って財務を改善させていって欲しいと思います。大きく投資してからもう6年近く経とうとしていますが、配当が悪くない水準となっているので、引き続き保有を継続していきます。